日本の農業が危機的状況にある中、農業でのIT活用への関心が高まっています。
本稿では、稲作で最も利用したいと考えられているITは水管理システムであるのに対し、提供されているのは自動運転が多いことや、多くの企業が市場調査をせずに開発をしているために現場のニーズと実際に提供されているIT機器の間にギャップがあることなどを、実証研究結果から説明しました。以上、主に得られた知見は以下のようになります。
- 農業IT利用率は11.1%。
- 稲作へのIT導入インパクトは生産性+32.5%。
- 新規就農者は高齢者でもIT利用への関心が高い。
- 現場でニーズの高いITは水管理。
- IT事業者の44.3%はニーズ調査をしていない。
- 農業に従事したい人は10%以上。副業解禁で増加。
また、この結果を踏まえ、以下の提言を出しました。
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<政府への提言>
- 大規模化を促進する(1ha以上)
- 攻めの補助金の提供
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<政府・農業IT事業者への提言>
- 働き方改革を推進する
- 適切な労務管理を啓発する
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<農業IT事業者への提言>
- 現場目線でのIT開発の実施
- IT人材派遣と研修機会供給
著者 | 山口真一、小林奈穂、前川徹 |
掲載先 | 情報化研究 |
リンク | https://ci.nii.ac.jp/naid/40021989086/ |
出版社・発行元 | 情報産業研究会 |
ページ数 | 7ページ |
執筆年月日 | 2019/07/20 |