2019.07.20

データ分析が示す日本農業の未来―IT化促進施策と人手不足解消策の提案―

日本の農業が危機的状況にある中、農業でのIT活用への関心が高まっています。
本稿では、稲作で最も利用したいと考えられているITは水管理システムであるのに対し、提供されているのは自動運転が多いことや、多くの企業が市場調査をせずに開発をしているために現場のニーズと実際に提供されているIT機器の間にギャップがあることなどを、実証研究結果から説明しました。以上、主に得られた知見は以下のようになります。

  • 農業IT利用率は11.1%。
  • 稲作へのIT導入インパクトは生産性+32.5%。
  • 新規就農者は高齢者でもIT利用への関心が高い。
  • 現場でニーズの高いITは水管理。
  • IT事業者の44.3%はニーズ調査をしていない。
  • 農業に従事したい人は10%以上。副業解禁で増加。

また、この結果を踏まえ、以下の提言を出しました。

    <政府への提言>

  1. 大規模化を促進する(1ha以上)
  2. 攻めの補助金の提供
    <政府・農業IT事業者への提言>

  1. 働き方改革を推進する
  2. 適切な労務管理を啓発する
    <農業IT事業者への提言>

  1. 現場目線でのIT開発の実施
  2. IT人材派遣と研修機会供給
著者 山口真一、小林奈穂、前川徹
掲載先 情報化研究
リンク https://ci.nii.ac.jp/naid/40021989086/
出版社・発行元 情報産業研究会
ページ数 7ページ
執筆年月日 2019/07/20
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