概要
情報社会の基本的な状況と、気候変動などをはじめとする成熟社会の限界点を踏まえ、これからの働き方・生き方を考察、参加者とディスカッションを行った。
「情報化社会」のネガティブな側面として「フィルターバブル」や「エコーチェンバー」を代表に取り上げ、これらが組み合わさることにより、「見たい情報のみを見る」て「自分の考えが合っている」と思い込むことになり、自分の世界を狭め、井の蛙状態となる危険性があるため、「検索結果は辞書のように誰がみても同じ結果になるものではなく、アルゴリズムによって最適化されている」と認識し、「相手や自分とは違う立場に立つ意識(一呼吸置く)」を持つことが重要であると伝えた。
さらに、「フェイクニュース」には複数の種類があり、内容が正しいか誤っているかの判定が難しく、検証が必要なため対峙するには時間やコストがかかると説明。フェイクニュースに社会で対峙するためには個々人が情報耐性を身に着けることが重要であることを指摘。こうしたことから、「情報化社会が『量』(たくさんの人に届いているか)から『質』(自分が伝えたい内容が相手に届いているかどうか、異なる立場の人にはどう見えるだろうか)の時代へ」入っていると提唱した。
さらに、現在の情報化社会のその次の時代について「Society5.0」や「SINIC理論」を用いながら説明を行った。現在私たちがいる情報化社会とは、農業革命、産業革命、情報革命を経てきたものであり、そして「社会課題:成熟社会の一種の『老化』『限界』現象」にどのように対処していくのかが重要であると指摘。そのためその解決策の一つの考えとして、「多様性」と「静脈」であると提案をした。
このような長期的な視座に立ち、働き方や生き方も考え直すことが重要であると提案。具体的には、多様な属性の人々を混ぜ合わるような社会の場づくりをしたり、一人ひとりの個性を生かしたサービスを生み出したりといった、一人の中にも多様な面を持つような「多様性」を取り入れること、また、高みへの学びや創造の喜びだけでなく、味わい深呼吸する時間や共感することの喜び、つまり物質を味わうといった「静脈」のあり方が価値・サービスになる時代に入っていると提唱した。
イベント名 | 情報モラル啓発セミナーin山口 |
主催者 | 中小企業庁 中国経済産業局 公益財団法人ハイパーネットワーク社会研究所 |
開催日 | 2021年2月3日 |
関連リンク
- 情報モラル啓発セミナー 山口 開催報告 https://www.j-moral.go.jp/yamaguchi