2020.11.24開催

  • 終了

オンラインイベント「音楽教室にまつわる著作権問題を考えるシンポジウム」

日時

2020年11月24日(火)17:00~19:00(16:50開場)

開催形式

YouTubeにてライブ配信(https://youtu.be/1PagBW80aUs)※登壇者のみイベント会場

参加費

無料

主催

国際大学グローバル・コミュニケーション・センター

概要

JASRACが音楽教室のレッスンから著作権料を徴収する方針を公表(2017年2月)してから、3年半が経過しました。ご存じの通り、この間、音楽教室事業者で組織する「音楽教育を守る会」は、JASRACが届け出た使用料規程の「実施の日」を対象として、文化庁長官裁定を求めました。また、250余りの音楽教室事業者がJASRACに請求権・徴収権限はないとする「請求権不存在確認訴訟」を提訴しました。この結果、文化庁長官は、係争中は、音楽教室事業者へは督促しないとの条件付きで、使用料規程の実施を認め、さらに、東京地方裁判所は、2020年2月に音楽教室事業者の請求を全面的に棄却しました。判決に対しては、控訴し、現在は知的財産高等裁判所にて判断を待っている段階です。おそらく2021年3月末までには判決が出される見込みです。

さて、この問題が、裁定や判決が出されるごとにメディアで大きく取り上げられるのは、単に著作権法の解釈だけではなく、一般的な感覚からの乖離、管理事業者のあるべき姿や社会教育としての位置付けなど、単なる過去の判例との対比に限らない重要な要素を含んでいるからかもしれません。

今回、「音楽教室における著作権問題を考えるシンポジウム」と題しておりますが、これらの問題をご登壇者からそれぞれの視点から鋭く切り込んでいただき、改めてこの問題について社会に投げかけることができればと考えております。

プログラム

<第一部>
17:00 主催者挨拶:田中辰雄(GLOCOM主幹研究員/慶應義塾大学経済学部教授)
17:05 講演1:「音楽教室事件東京地裁判決の解説」
        上野達弘(早稲田大学法学学術院教授)
17:30 講演2:「NexToneが考える演奏権管理」
        阿南雅浩(株式会社NexTone代表取締役CEO/
             金沢工業大学大学院イノベーションマネジメント研究科 客員教授)

17:55~18:05 休憩

<第二部>
18:05 パネリストによる講演
    講演3:「著作物の流通促進と集中管理」
        瀬尾太一(日本写真著作権協会常務理事/日本複製権センター代表理事)
    講演4:「音楽著作物利用契約の在り方について」
        林いづみ(弁護士)
18:25 パネルディスカッション
パネリスト   田中辰雄(GLOCOM主幹研究員/慶應義塾大学経済学部教授)
        上野達弘(早稲田大学法学学術院教授)
        阿南雅浩(株式会社NexTone代表取締役CEO/
             金沢工業大学大学院イノベーションマネジメント研究科 客員教授)
        瀬尾太一(日本写真著作権協会常務理事/日本複製権センター代表理事)
        林いづみ(弁護士)
モデレーター  渡辺智暁(GLOCOM主幹研究員/教授)
19:00 閉会

プロフィール(登壇順)

田中辰雄
GLOCOM主幹研究員/慶應義塾大学経済学部 教授
1957年、東京都に生まれる。東京大学大学院経済学研究科単位取得退学。国際大学グローバル・コミュニケーション・センター研究員、コロンビア大学客員研究員を経て、現在、慶應義塾大学経済学部教授。専攻は計量経済学。 主要著作・論文『ゲーム産業の経済分析』(共編著・東洋経済新報社、2003年)、『モジュール化の終焉』(NTT出版、2007年)、『著作権保護期間』(共編著、勁草書房、2008年)、『ネットは社会を分断しない』(共著、角川新書、2019年)ほか。

上野達弘
早稲田大学法学学術院 教授
1994年京都大学法学部卒業、1999年同大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学。成城大学専任講師、立教大学教授を経て、2013年より現職。著作権法学会理事、日本工業所有権法学会常務理事等、文化審議会著作権分科会・法制度小委員会等、知的財産戦略本部・構想委員会・コンテンツ小委員会委員等を歴任。主著として、『著作権法入門』(有斐閣、共著)、『特許法入門』(有斐閣、共著)等。

阿南雅浩
株式会社NexTone代表取締役CEO/金沢工業大学大学院イノベーションマネジメント研究科 客員教授
ソニー・ミュージックエンタテインメント、エイベックスを経て2016年2月に株式会社NexToneを設立し代表取締役CEOに就任。前職ではプロダクション&レーベルの代表取締役、音楽専門放送局の取締役、音楽出版社の代表取締役社長等を歴任しつつ、KIT客員教授、日本レコード協会法制委員、日本音楽出版社協会の監事なども務め、音楽著作権の権利者・利用者双方の立場と課題に精通している。

瀬尾太一
日本写真著作権協会常務理事/日本複製権センター代表理事
青山学院大学経営学部卒。写真家。大学卒業後、写真館尾崎堂4代目に引き継ぐかたわら、アンティーク関連業務の撮影に取り組む。ライフワークのテーマは日本。現在、日本写真著作権協会・常務理事、文化庁・文化審議会著作権分科会委員、内閣府・知的財産戦略本部の委員を兼務し、知的財産、著作権行政にかかわる。また、日本複製権センター・代表理事、公衆送信補償金等管理協会・常務理事等の業務を通じて、集中管理業務を推進している。個展「ITAN」、「裸行」、「幻花の舞」等。

林いづみ
桜坂法律事務所 パートナー弁護士
検察庁検事を経て1987年弁護士登録。国内外の企業法務・知財関係相談、契約交渉、紛争解決。規制改革会議委員・専門委員、知的財産戦略本部員等。中央大学法科大学院客員教授(戦略的知財契約論2007~2017)、日弁連知的財産センター長、日本知的財産仲裁センター長等歴任。音楽教室に対する演奏権使用料徴収に関して、著作物等管理事業法に基づく裁定手続において音楽教室側を代理。

渡辺智暁
国際大学GLOCOM 教授・研究部長
専門領域は情報通信政策、オープン化と社会・産業変動など。Ph.D.(米インディアナ大学)。2008-15年に国際大学GLOCOMにて研究に従事、慶應義塾大学政策・メディア研究科特任准教授を経て、2019年より国際大学GLOCOM教授・主幹研究員。本イベントと関連し、3Dプリンタなどデジタルファブ技術の高度化・普及と共に生じるイノベーションやソーシャルなものづくりを5年ほど研究している。他に慶應大学SFC研究所上席所員、総務省情報通信政策研究所特別研究員、NPO法人コモンスフィア理事長など。

参加方法

参加登録不要です。お時間になりましたら以下のURLからご入場ください。

https://youtu.be/1PagBW80aUs

お問い合わせ

国際大学グローバル・コミュニケーション・センター(GLOCOM)
〒106-0032 東京都港区六本木6-15-21 ハークス六本木ビル2階
担当:小島 Tel: 03-5411-6675 Mail:info_pf[at]glocom.ac.jp

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