伊藤将人研究員の論文が、日本地域政策学会 学術賞 奨励賞を受賞しました。
日本地域政策学会 2024年度学術賞 奨励賞受賞
第31号 研究ノート「なぜ団塊世代の地方移住は積極的に促進されたのか ─国の研究会報告書における移住促進言説の正当化/正統化戦略に着目して─」受賞者:伊藤将人(国際大学GLOCOM 研究員/講師)
掲載誌:『日本地域政策研究』第31号 P.40-49(日本地域政策学会編、2023年9月)
https://ncs-gakkai.jp/kikanshi/nihonchiikiseisakukennkyu_31/
※日本地域政策学会 ウェブサイトhttps://ncs-gakkai.jp/award/本論文では、2000年代後半に生じた国による団塊世代の地方移住促進事例を対象に、いかなる論理と戦略によって地方移住が政策的に推進されたのかを研究しました。社会学と政策学における言説分析の知見を援用して分析した結果、社会的には人口減少社会が到来し、政治的には地域間格差の是正や地域活性化、暮らしの複線化が目指された中で、団塊世代の移住促進は様々な課題の解決手段となることを期待され、政治的に正当化/正統化されることで推進拡大へと至ったことが明らかになりました。
この結果は、現代において地方移住を政策的に推進することの是非や、移住促進の社会的・政策的位置づけ、関連する統計等の問題性を論じる際に有意義なものです。