日本の災害対応の課題を明らかにし、データを活用した災害対応アセスメントを実証実験

自然災害頻発国である日本では、これまでの経験に基づいて、防災や災害対応の観点で様々な取り組みがなされてきました。しかしながら、依然として避難生活には多くの課題があります。実際に、熊本地震(2016年)では、災害そのもので亡くなる直接死よりも、その後の避難生活の環境悪化で亡くなってしまう関連死の方がはるかに多くなってしまいました。

以上を踏まえ、グーグル合同会社のサポートを受けて2017年4月からはじまったのが本プロジェクトです。2017年度活動では、災害対応における課題について網羅的に調査し、「劣悪な環境での避難生活」「使われずに処分される避難物資」「適切な物資が必要な人に届いていない」など、様々な課題が明らかになりました。また、課題を踏まえ、IT・データを活用した災害対応アセスメントの骨子を作成しました。

2018年度はその結果を踏まえ、2017年度に追加して課題や既存の災害対応サービスの長短を調査したうえで、災害対応アセスメントの具体化と自治体との実証実験を主として執り行いました。災害対応アセスメントは、「ニーズアセスメント(物資に関するアセスメント)」と「ファシリティアセスメント(避難所環境に関するアセスメント)」の2つから構成されます。アセスメントの狙いは次の3つです。

  1. 災害対応のTo Doリストのような項目の共有によって、個人個人が自ら判断する。
  2. 現場からの情報発信の標準化によって、被災者自らの情報発信を基に適切な支援・受援を実現する。
  3. 「早期判断」と「事前準備」により、トータルでリスクとコストを削減する。

以上の2年にわたる研究と実証の結果から、7つの政策提案が導かれました。また、プロジェクト終了後も研究・実践活動が続いており、災害対応アセスメントはウェブサービスとして提供されました。2020年現在、いくつかの自治体で実証実験を行い、データを分析しているところです。

 

名称 データ活用×産官学民連携で実現するより良い災害対応
形態 委託研究
プロジェクトオーナー グーグル合同会社
プロジェクトリーダー 山口真一
プロジェクトメンバー 山口真一、青木志保子、櫻井美穂子、庄司昌彦
活動内容
  • 文献調査:物資アセスメントに必要な項目の調査からの物資ニーズ予測モデルの構築、災害対応の課題の調査、目指すべき災害対応の導出
  • ヒアリング調査:災害対応経験の豊富な有識者や被災者へのヒアリング調査を実施し、目指すべき災害対応を導出
  • ワーキンググループ:複数回WGを開催し、実践者・有識者を交えてアセスメント項目について議論した
  • 自治体との実証実験:複数の自治体で災害対応アセスメントを実証実験し、改善点を明らかにした
実施期間 2017年10月~2019年3月

成果物

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