2020.02.01

GLOCOM Monthly Topics ~February,2020

国際大学GLOCOMです。

新型肺炎の流行が連日報道される中、大型のイベントが中止・延期となったり、企業内でテレワークが推奨されたりと、日常に直接関わるニュースが目立つようになりました。
ICTを活用することで場所を選ばず業務に当たれるテレワークなど、政府が働き方改革を推し進めてきた成果が、オリンピック前に図らずも問われそうです。

GLOCOMでも、研究会など皆様にお集まりいただく場を主催することが多いため、現在はアルコール消毒、マスク着用などのエチケットを徹底したイベント運営を心掛けています。
さまざまな原因で体調を崩しがちな季節、手洗いうがいの基本を押さえて、どうぞご自愛ください。

今月もMonthly Topicsを通じて、GLOCOMの活動・成果をご紹介します。
気になるトピックがございましたらぜひお声がけください。

▼<今月のTopics>–▼————————▼
◆Pick up
【6年連続】TTCSP「世界有力シンクタンク評価報告書」Science & Technology部門でGLOCOMが世界第34位にランクイン
【発行】
・GLOCOM OPINION PAPER No.30
・GLOCOM DISCUSSION PAPER No.15 & 16
【レポート公開】
・第4回日本流データ利活用研究会
・GLOCOM研究交流会第3回
・カンファレンス「クラウド活用による日本・アジアの経済成長」
【開催報告&レポート公開】「全国自治体ICTサミット2020 ~災害時コミュニケーションとICT利活用~」
【開催報告】共催セミナー「人工知能(AI)のビジネス活用 ~人間の創造力とAIの利活用で育む新ビジネス~」
【メディア情報】
・櫻井美穂子研究員:都市のレジリエント研究に関する連載最新記事(リスク対策.com)
・山口真一研究員のネット炎上研究に関する成果(Newsweek、デイリー新潮)
・田中辰雄研究員の共著『ネットは社会を分断しない』に関する成果(日本経済新聞、産経新聞)
【研究ワークショップ】
・2020年1月度プログラム「個人信用スコアの社会・経済的意義」
&プログラムご紹介・次回開催のご案内

◆今後の開催イベントのご案内
・【招待制】情報産業研究会 調査研究プロジェクト「少子高齢・人口減少社会におけるIT活用分野の特定とIT導入インパクト予測」最終報告会(3月3日)
・シンポジウム「人新世:人間観とエコシステムの再構築 -ビジネス・環境・人文・アート」(3月14・15日)

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■ Pick up ― 最近の主な活動 ■
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【6年連続ランクイン】TTCSP「2019年世界有力シンクタンク評価報告書」Science & Technology部門で、国際大学GLOCOMが世界第34位にランクインしました

米・ペンシルバニア大学ローダー・インスティテュートのシンクタンクと市民団体プログラム(TTCSP: Think Tanks & Civil Societies Program)が毎年発表する『世界有力シンクタンク評価報告書』が、今年も1月27日付で公表されました。

今回発表された『2019年世界有力シンクタンク評価報告書』(2019 GGTTI: 2018 Global Go To Think Tank Index Report)において、GLOCOMは、研究分野別カテゴリー「Science & Technology部門」で世界の第34位と評価され、2014年から6年連続のランクインとなりました。

詳細はニュースページをご覧ください
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【発行】OPINION PAPER No.30

◆GLOCOM OPINION PAPER No.30「渋谷ハロウィンへの批判を乗り越え社会のアップデートの契機にしよう」菊地映輝
本文はこちらからご覧いただけます

情報社会の文化をネットと都市の両方から研究する菊地映輝研究員が、昨年の渋谷ハロウィン(渋ハロ)をフィールドワークしました。今回は、路上ゴミの散乱と路上飲酒規制の2つの問題について考察し、その解決策を提言しています。

※バックナンバーはこちらから
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【発行】GLOCOM DISCUSSION PAPER No.15 & 16

◆DISCUSSION PAPER No.15「ゲームによる学力低下に閾値はあるか―想起による大規模調査―」田中辰雄研究員
本文はこちらからご覧いただけます

本研究では、ゲームによる学力低下に閾値(学力に悪影響が出るボーダーライン)があるかどうかを調査しました。15,000人を対象に過去を振り返ってもらうサーベイを行った結果、中学生の場合、閾値は平日のプレイ時間1時間であることがわかりました。また、ゲームのプレイ時間は、子供自身が制御・自己管理することが大切で、親は子供にプレイ時間のルールを作らせ、それを守るように指導することが有効だと述べています。

◆DISCUSSION PAPER No.16「モバイルゲームのプレイ時間と幸福感の関係」山口真一研究員
本文はこちらからご覧いただけます

モバイルゲームのプレイ時間と人々の幸福感の関係について実証的に明らかにし、最適なゲームプレイの仕方を考察する調査研究です。幸福感を表す指標として「生活満足度」と「幸福の4指標」の2種類を用いて、約5,000件のアンケート調査の分析を行いました。
その結果、1日に約2時間以下モバイルゲームをプレイしている場合は、全くプレイしない場合に比べて生活満足度が有意に高くなることがわかりました。一方、やり過ぎることによる生活満足度への影響は見られませんでした。さらに、幸福の4指標の中で「つながりと感謝」「独立とマイペース」は適度なプレイによって増加する一方で、「自己実現と成長」「まえむきと楽観」は、プレイ時間が長すぎると低下することが明らかになりました。

※バックナンバーはこちら
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【レポート公開】第4回日本流データ利活用研究会

テーマ:『データ流通推進の方策とその課題』
講師 :森亮二(弁護士)
日時 :2019年12月6日(金)18:30~20:30
会場:国際大学グローバル・コミュニケーション・センター
開催レポートはこちら

本研究会は、「第二の石油」とまで言われるほど重要視されているデータ分野に関して、産学で意見交換を行いデータ利活用にまつわる諸課題を特定したうえで、その改善策を提示することを目的に2019年9月に設立されました。第4回となる本会では、森亮二氏(弁護士)の研究「データ流通推進の方策とその課題」の内容をベースに、1時間の話題提供の後にディスカッションを行いました。データ流通推進の政策的動向の紹介、その上で感じる限界、そして流通ではない利活用の道が提言されました。

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【レポート公開】GLOCOM研究交流会第3回

日時:2019年12月16日(月)15:00~17:00
会場:国際大学グローバル・コミュニケーション・センター
タイトル:「優れた知の生成に関する希望と困難 :データ駆動型AI&ビッグデータ、エビデンスベースの科学的知、ウィキペディアの「集合知」、ネットの自由な言論」
報告者 :渡辺智暁(国際大学GLOCOM 教授・研究部長・主幹研究員)
開催レポートはこちら
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【レポート公開】カンファレンス「クラウド活用による日本・アジアの経済成長」

日時:2019年12月18日(水)18:30~20:30
会場:イイノカンファレンスセンター Room B
主催:国際大学グローバル・コミュニケーション・センター
協力:Google Asia Pacific Pte. Ltd.
開催レポートはこちら

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【開催報告&レポート公開】「全国自治体ICTサミット2020 ~災害時コミュニケーションとICT利活用~」

日時:2020年1月31日(金)14:00~15:30
会場:国際文化会館 岩崎小彌太記念ホール
主催:国際大学グローバル・コミュニケーション・センター(GLOCOM)
共催:慶應義塾大学SFC研究所プラットフォームデザインラボ
後援:総務省、国立研究開発法人防災科学技術研究所
開催レポートはこちら

国際大学GLOCOMレジリエントシティ研究ラボは、「全国自治体ICTサミット2020~災害時コミュニケーションとICT利活用~」を開催しました。
冒頭、ラボ代表の櫻井美穂子研究員より、サミットに先立ち6回開催された職員勉強会での議論が報告され、自治体共通の課題を、①情報収集や整理の不足、②住民ニーズにあった情報発信のあり方、③ツールの日ごろ使い、の三つに整理しました。さらに、具体的な解決策を議論する来年度の活動案を記載したポリシーステイトメントを公開しました。

「全国自治体 ICT サミット 2020」ポリシーステイトメントはこちら

その後のパネルディスカッションでは、石井登志郎・西宮市長、大西一史・熊本市長、神達岳志・常総市長、松尾崇・鎌倉市長を招き、國領二郎・GLOCOM上席客員研究員(慶應義塾大学総合政策学部教授)をモデレータに、首長の目線から、意思決定や情報発信に必要な情報収集や整理のあり方、および市民へのパーソナライズされた情報発信の可能性についてディスカッションしました。

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【開催報告】共催セミナー「人工知能(AI)のビジネス活用 ~人間の創造力とAIの利活用で育む新ビジネス~」

日時:2020年1月17日(金)17:00~19:30
会場:国際大学グローバル・コミュニケーション・センター
主催:国際大学グローバル・コミュニケーション・センター、日本IT特許組合

本セミナーでは、中西崇文GLOCOM 主任研究員(武蔵野大学データサイエンス学部データサイエンス学科准教授)が人工知能で自動化できること、人工知能の有効な活用方法、さらには人間の創造力を生かす人工知能利活用方法などについて解説しました。また、人工知能を使ったビジネスにおいても、具体的な事例を紹介しつつ、どのようなサービスを開発すべきなのかについて視座を提供しました。続いて、弁理士の河野英仁氏(河野特許事務所 所長)が、AI分野で注目される米国のスタートアップ企業の特許について解説し、その後、参加者とディスカッションが行われました。

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【メディア情報】

1. 櫻井美穂子研究員の都市のレジリエント研究に関する成果
◆連載「ロックフェラー財団100RCに見る街づくりのポイント」第8回(リスク対策.com)
本連載では、米国・ロックフェラー財団が実施した、世界の100都市を選定してレジリエント戦略の策定支援を行うプログラム「100 Resilient City」の対象都市をピックアップし、短期的課題(ショック)と長期的課題(ストレス)を整理し、レジリエント戦略で定められたゴールとアクションをまとめています。

・経済発展の陰で広がった貧富の格差 第8回:オークランド(アメリカ)
https://www.risktaisaku.com/articles/-/23217

・気候変動のリスクに対応するオークランドのレジリエント戦略(続)第9回:オークランド(アメリカ)
https://www.risktaisaku.com/articles/-/23954

 

2. 山口真一研究員のネット炎上研究に関する成果
◆「上級国民」現象を生み出したのは誰だ? ネット炎上研究から人物像をあぶりだす(Newsweek、2月20日)
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/02/post-92454_1.php

◆木下優樹菜をタピオカ騒動で休業に追い込んだ「道徳警察」の生態(デイリー新潮)
https://www.dailyshincho.jp/article/2020/01100731/

 

3.  田中辰雄研究員の共著『ネットは社会を分断しない』に関する成果
◆「「過激化は若者でなく中高年」 『ネットは社会を分断しない』著者2人に聞く」(産経新聞、1月21日)
https://www.sankei.com/life/news/200121/lif2001210002-n1.html

◆「中庸の世論どう作る ネット政治の課題克服を」(日本経済新聞、1月27日)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54815850U0A120C2TCR000/

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【研究ワークショップ開催報告】

●2020年1月度プログラム「個人信用スコアの社会・経済的意義」
日時:2020年1月24日(金)16:00~18:00
講演:大屋雄裕(慶應義塾大学 法学部 教授)

個人の信用度を可視化する「個人信用スコア」サービスは、「芝麻信用」を典型として中国で広く普及したことを受け、日本でも注目が集まっています。大屋教授の講演では、このようなサービスは何を意味しているのか、その社会経済的な意義はどこにあるのかを理論的に検討したうえで、それを安全・安心に活用するためにはどうしたらいいか、社会的受容に結び付けるための注意点はどのような点にあるかといった問題についての考察がなされました。ディスカッションでは、信用スコアを用いた新たなサービスビジネスの可能性について話し合われ、人材紹介サービスなどに向けた活用アイディアが共有されました。

 

●冬期テーマと次回以降のワークショップのご案内
2020Winter: ~TRUST~デジタル社会の信用と信頼、どう構築するか

デジタル社会が進展する現在、TRUST(信用/信頼)がキーワードになりつつあります。デジタルを介したサービス事業者によるデータ取り扱いに関する問題が相次ぐ一方で、サービス利用者自身も、自らのデータの提供およびその利用に対する意識を改めて高める必要がでてきているのではないでしょうか。
データ活用が、新たなビジネス機会の創出において必然的な条件となりつつあるいま、持続可能かつ本当に価値あるサービスを提供・利用するための「信頼関係」をどう結ぶことができるのか、企業として、従業員として、そして個人としての3つの観点から議論を深めます。

◇「信頼し合える組織と個人へ ~データに基づくマネジメントへの挑戦」
日時:2020年2月20日(木) 16:00~18:00 (開催済み)
講師:田中勇一(株式会社イトーキ 先端技術研究所/デザインストラテジスト)

◇「デジタル・シチズンシップ教育からはじめる、企業とサービス利用者との新たな信頼構築」
日時:2020年3月26日(木)
講師:坂本 旬(法政大学キャリアデザイン学部教授)
豊福晋平(国際大学GLOCOM主幹研究員/准教授)

※研究ワークショップは体験参加も受付中です。
プログラムの詳細・体験参加をご希望の方は、 info_pf[at]glocom.ac.jp までお問い合わせください。

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■ 今後のイベント開催のご案内 ■
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◆【招待制】情報産業研究会 調査研究プロジェクト「少子高齢・人口減少社会におけるIT活用分野の特定とIT導入インパクト予測」最終報告会

タイトル:「農業のIT活用~人口減少社会へのインパクトと未来ビジネス構想」
日時  :2020年3月3日(火)15:00~17:30 (懇親会 17:30~18:30)
会場  :国際大学グローバル・コミュニケーション・センター
対象者 :情報産業研究会、国際大学GLOCOM関係者

招待対象者にはご案内のメールをお送りしています(順次配信予定)。
メールを受け取っていない方で参加希望の方も、上記URLのお問い合わせ先へご連絡ください。

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◆ シンポジウム「人新世:人間観とエコシステムの再構築 – ビジネス・環境・人文・アート」

日時 DAY1 :2020年3月14日(土)10:00~18:15
DAY2 :2020年3月15日(日)10:00~18:35
会場 :東洋大学白山キャンパス井上円了ホール
(東京都文京区白山5-28-20東洋大学白山キャンパス5号館地下2階)
参加費:無料・事前申し込み必要
主催 :JST社会技術研究開発センター、東洋大学国際哲学研究センター

詳細・お申込みは https://www.jst.go.jp/ristex/hite/topics/435.html をご覧ください。

お問い合わせ先:科学技術振興機構社会技術研究開発センター「人と情報のエコシステム」領域事務局
Tel:03-5214-0133  Fax:03-5214-0140
E-mail:info-ecosystem[at]jst.go.jp

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今月もMonthly Topicsをお読みくださりありがとうございました。

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(2020年2月21日配信)

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