この度、GLOCOMは、シンガポールやロンドンに拠点をおく国際コンサルティング会社Access Partnershipが行った、日本の旅客輸送サービスの現状調査の設計とアウトプット作成に、アドバイザーとして協力しました。
日本の交通サービスは、長年、運行時間の正確さ、安全性などで知られてきましたが、少子高齢化の進展と共に、昨今話題となっているバス・タクシーの運転手不足を含む、多くの問題に直面しています。
Access Partnershipによる本調査では、その検証の第一弾として、(1)4大都市を擁する都府県の当該都市圏以外の自治体、(2)中都市、(3)人口5万人以下の市町村の3つの地域を対象として、バスや鉄道などの大量輸送機関、タクシー、そしてその他の個人輸送が、住民のニーズを満たしているのかを調べています。既存の研究では特定の地域に限定して掘り下げて調査したものが多いため、対象を広くとって実施した本調査の結果は今後のモビリティ関連政策や課題解決への取り組みに有益な判断材料を提供できることと思います。
日本の旅客輸送サービスの現状調査:人口減少化の課題と展望
レポートページ
- ‘Passenger Transportation in Japan: Challenges and outlook with ongoing societal changes in less connected areas’(英語版)
- 「日本の旅客輸送サービスの現状調査:人口減少化の課題と展望」(日本語版)
レポートのハイライト
- ほぼ半数近い回答者(49%)が、「総じて、日本の輸送機関は他の国より優れている。」という考えに同意しているなど、現状への総合的満足度は高い。
- 反面、43%の回答者が「高齢化や人口減少によって、将来の輸送機関の維持に不安を感じる。」という考えに同意しており、不安も広がっている。
Access Partnershipでは、今年11月発表予定のレポートで地域産業や観光についての調査を加えて、交通問題の解決とその経済・社会的意義について、包括的な分析を行う予定にしています。GLOCOMは一部の追加調査、報告書作成などに協力を予定しています。