開催概要
登壇者:小林史明(衆議院議員・自由民主党 副幹事長・前デジタル副大臣)
佐藤淳一(磐梯町長)
淵之上 弘(株式会社サイバーエージェント インターネット広告事業本部
デジタル・ガバメント推進室長 兼 AI事業本部 DX本部 GovTech開発センター長)
今井早苗(株式会社セールスフォース・ジャパン 常務執行役員公共営業本部長)
櫻井美穂子(GLOCOM主幹研究員・准教授)
日時:2022年10月31日(月)16:00~17:30
会場:赤坂インターシティコンファレンス4階 the AIR
開催形式:YouTubeにてライブ配信 ※ハイブリッド開催(登壇者・招待者のみ会場)
主催:国際大学グローバル・コミュニケーション・センター
株式会社サイバーエージェント
株式会社セールスフォース・ジャパン
概要
国際大学グローバル・コミュニケーション・センター、株式会社サイバーエージェント、株式会社セールスフォース・ジャパンが2022年6月に実施した「デジタル社会意識調査」の報告と、結果を踏まえたパネルディスカッションを行った。報告では調査により明らかになったデジタル社会に対して異なる意識を持った4つの層に向けたサポートの在り方の検討を提起した。パネルディスカッションでは、パネリストがデジタル化を阻む意識的・文化的障壁について指摘。「理想の暮らし」やフェアな社会に向けて失敗を恐れない組織文化の醸成、行政・民間の強みを生かした協力・協働関係の構築などの重要性が提起された。
「デジタル社会意識調査」結果報告(櫻井美穂子)
デジタル社会に対する異なる意識を持つ4つのクラスターの存在
このデジタル社会意識調査の背景として、2021年2月に行ったデジタルガバメントに対する住民ニーズ調査というものがある。これはデジタルガバメントに対する利用者のニーズを明らかにしようとした調査だったのだが、ニーズがあまり強く出てこない人たちの回答が全体の3分の1ぐらいあった。ニーズがあまり出てこなかった人たちについてより詳しく知るために企画したのが今回の調査研究。デジタルカバメントに限らず、民間のオンラインサービスも含めた、いわゆるデジタル社会一般に対しての人々の意識を明らかにすることを目的として、今年6月に調査を実施した。
今回の調査では、人々のデジタル社会に対する意識を明らかにするのが1番の目的だが、民間・行政を含めたオンラインサービスの利用意向や、生活の価値観で何を重視しているか、社会のデジタル化に求めること、急速な社会のデジタル化にどうやってキャッチアップしようとしているか、ということを聞いた。これらの問い自体はテクノロジー受容に関する概念で、30年以上前から提唱され、モデル化されているものである。質問票にはテクノロジー受容モデルの項目を盛り込んだ。日本国内の15歳から89歳を対象に、調査会社のパネルの3万人から日本の人口動態の性年代別の割合で割り付けし、約4000人から回答を得た。
デジタル社会への意識の違いに基づいて、回答者を4つにグルーピングした。これらを「デジタル積極層」「置き去り層」「反デジタル層」「中立層」とネーミングしている。デジタル積極層の人は全体の約4割になる。デジタル積極層はデジタル化の進展、デジタル化への関心、デジタル化に自分がついていけているかどうかという3つの質問に全部ポジティブに回答している。全体の13%が置き去り層と名付けた層で、デジタル化の進展、あるいはデジタル化への関心に対してポジティブに答えていない、かつ、デジタル化についていけていないと回答している。反デジタル層が全体の15%ぐらいになるが、デジタル化の進展、デジタル化への関心のいずれかの質問にネガティブに答えている。
性年代別で見るとデジタル積極層の割合は男女ともに年齢が上がるごとに少しずつ減っていくが、50代で底をついて、また50代から少しずつ上がり、80代で少し落ちるという傾向が見られた。また、置き去り層がおよそ2割を占めたのが80代男性と、40代女性、60代女性、80代女性で、50代女性では反デジタル層の割合が2割を超えた。
各クラスターへの影響力が大きかった質問項目は「年齢」で、「居住地域」「生活への満足度」「職業」「行政のオンラインサービスの利用意向」「行政のオンラインサービスの認知度」といった項目の影響も確認できた。デジタル社会に対する意識の形成にあたって、行政分野のデジタル化がとても重要だということが分かった。
行政のオンラインサービスについて、どういう点を重視して使うかを尋ねたところ、デジタル積極層の割合が最も高くなった回答項目は「新しいサービスを使うのが好きだから」だった。民間オンラインサービスの利用理由を尋ねた質問でも同様の結果となった。行政オンラインサービスの利用理由について置き去り層と反デジタル層の割合が最も高くなった質問項目は「困ったときに丁寧にサポートしてもらえるなら使いたい」だった。行政のオンラインサービスの認知度を尋ねた質問では、デジタル積極層は「サービスを使ったことがある」「一度使ってみたが、使わなくなった」と回答した人の5割を占めた。行政オンラインサービスの改善点を尋ねた質問で置き去り層の割合が最も高くなった回答項目は「分からないことがあった場合のサポート体制」だった。
「理想の暮らし」を実現するデジタル技術
理想の暮らしについて、「祭りやイベントに日々触れる暮らし」、「ワークライフバランスの取れた暮らし」と答えた人の約5割の人がデジタル積極層だった。置き去り層の割合が最も大きくなった回答項目は「地域の人々と繋がる暮らし」、「医療介護サービスへのアクセスがしっかりしている暮らし」だった。
デジタル化の有意義な点を尋ねたところ、回答者全体の6割以上が「いつでもどこでも情報やサービスにアクセスできる」と答えた。懸念については、「自分の情報を盗まれるのではないかという不安がある」、「何か問題が発生した時のサポート体制に不安がある」と答えた人が共に5割程度となった。行政・民間問わずオンラインサービスを利用するときに重視する項目(利用理由)として、行政サービスよりも民間サービスを使う理由が10ポイント以上大きかった回答は「便利だから」「楽しいから」「他の人と交流したいから」という回答だった。「便利だから」という回答は、行政サービスを使う理由でも一番多い。逆に、民間オンラインサービスよりも行政のオンラインサービスを使う時に重視すると答えた人の割合が10ポイント以上開いたのは「困ったときに丁寧にサポートしてもらえるから」、「個人情報など安全性に信頼が置けるから」という項目だった。
また、現実の暮らしと理想の暮らしを比較すると、「犯罪から守られた安心できる毎日」「家族みんなが幸せな暮らし」「医療・介護サービスへのアクセスがしっかりしている暮らし」「防災・減災対応が十分になされている暮らし」「経済的支援による安心感のある暮らし」「信頼できる自治体に住んでいる安心感のある暮らし」「分かりやすく使い勝手の良い行政サービスのある暮らし」は理想よりも現実のポイントが低い結果だった。ここに挙げられた観点をデジタル技術でどのようにサポートしていけるのかが、理想の暮らしを実現するために重要だと考えている。最後に、行政オンラインサービスの改善点として、全体の5割以上が回答したのが、「オンラインで完結する」「情報セキュリティ」だった。別の質問で、行政サービスに満足していないと答えた人に自由回答で理由を尋ねたところ、オンラインで手続きが完結しない現状への不満が多く寄せられた。
行政のサービス提供では、平等にサービスを提供しなければならないという考え方が非常に強い。それも大切ではあるが、もう少しそれぞれの人が持っている意識の違いに目を向けて、意識の違いに基づくニーズの違いに着目してデジタルサービスを提供するべきではないかと考えている。最後に、私が今月初めにこの結果についてノルウェーでディスカッションし、得られたキーワードを共有したい。デジタル接続が全てのサービスの前提となっているデジタル必須(Mandatory digital)、デジタルは第1選択肢ではあるが、他の選択肢も用意するデジタルバイデフォルト(Digital by default)、一人ひとりが選択してデジタルサービスを使う選択によるデジタル化(Digital by choice)、というのがスカンジナビアの国々のデジタル政策に共通する考え方であるとのことだった。誰一人取り残されないデジタル社会の実現にあたっては、まずは今回の調査で明らかになった「置き去り層」の方たちをどうサポートして、デジタル積極層になってもらえるのかが重要ではないかと考えている。
パネルディスカッション
櫻井:今回の調査結果からは、年齢が人々のデジタル社会に対する意識に影響を与えることは分かったが、世間一般でいわれているデジタルデバイド=高齢者という図式には必ずしもあてはまらなかった。オンライン調査でもありこの結果が日本全体を表しているわけではないが、注視すべき結果だと思う。置き去り層にどういうアプローチがあると思うか。
小林:我々はデジタルで一人ひとりが幸せになれるということが十分に伝えきれていないという課題を感じた。ただ、置き去り層は本当にデジタルを使えていないと思っていいのか。スマホが使えていないとか、パソコンが使えないといけないという意識を、政府行政からも変えていきたい。
佐藤:磐梯町では目的を達成するためにデジタルを使っていくべきだとして、令和2年にデジタル変革戦略室をつくった。そして昨年「デジタル」から「デザイン」という言葉を使うように変えた。住民の拒否感があるため、デジタルという言葉を別に町民には言わなくてもいいのではと考えている。去年、プレミアム付き商品券のデジタル化を実施したが、70歳以上の方が利用者の30%を占める。説明会を開いているうちに、あっという間に使えるようになった。何のためにやるか、デジタルをどう使っていくのかが大事。
淵之上:50代を底にしてU字カーブを描くというデジタル積極層の分布は予想外だった。データとして表れたことによって、それぞれに対するアプローチを変えていかなければいけないと感じた。デジタルという言葉があまりにも広いので、調査に答えた方の回答がばらけているのではないかと思う。分かりやすい言葉でデジタルとは何かを説明していくことが重要だ。デジタルを使ってみようと思っていた方々が最初に触れる体験は重要な機会なので、最初のUI・UXを大事にしていかないといけないと思う。
今井:私はまさに女性の置き去り層か反デジタル層にあたる年代。私自身はIT企業に勤めているがどちらかというと置き去り層の感覚に近い。ワクチン接種の接種証明書のアプリが便利だと言われていたが、何となく使っておらず、海外出張で使ってみたら、とても簡単で便利だった。QRコードの決済も、割り勘のために初めて使ってみた。やむを得ず使ってみて便利だと分かれば我々のような置き去り層も前に進めるのかなと思っている。周りの人にサポートしてもらえるとトライしやすい。
櫻井:目的をどう設定すればいいかを考えるときに、利用者それぞれが異なる意識を持っていることを認識してもらいたい。昨年実施した「デジタルガバメントに関するニーズ調査」では、市政への参加意欲を持っている人はデジタルサービスを積極的に使いたい人たちだった。今回の調査では、置き去り層では地域の人々とのつながり、反デジタル層では家族の幸せを他のクラスターよりも大事にしていることが分かった。
小林:例えば北海道の北見市では、スマホが使えなくてもやりたいことをやってくれるサービスを提供している。バックエンドの仕組みがデジタル化されただけで、市民との接点はアナログだ。普段やっている行動の中に行政サービスが入るという考え方がある。サイバーエージェントが電話の問い合わせ対応をAIを使ってやっている。後ろ側はデジタルでもいいという意見もあると思う。実際に導入して使った感触はどうだったのか。
淵之上:山形市でマイナンバーカードの受け取り予約をAIで対応するAI電話の実証実験を行った。受け取り日時を受け取る側とやりとりして、ショートメッセージで予約確定の連絡をするというサービスを提供した。それまでは8時半から17時の開庁時間に受付を行っていたが、AIなので、これまで役所が開いていなかった17時から8時半までの時間や土日にも対応できるようになり、だいたい開庁時間と同じくらいの割合で電話が来た。予想よりも多くの人が反応していて、これならマイナンバーカードの取得率も上がるのではないかと感じた。
小林:住民が慣れて使っている所の後ろを楽にしようということであれば、行政も楽になる。住民もこれまでと変わらないのが安心ではないか。今までのものをトランスフォーメーションすることが大事。自治体の職員が疲弊しないよう、ハッピーになるようサービスをしていく。
佐藤:行政内部で、自分たちが使いやすい仕組みやニーズを分析して形に出来る仕組みを作らないといけないと思う。磐梯町では職員の意識や既成概念を取り払っていくことを行っている。組織を横にどう広げていくのか、どういうデザインがいいかを考えたうえでデジタルを考えるというトランスフォーメーションの方が大事だ。
小林:神戸市では本庁に行かなければできない手続きを支所でできるようにしている。単純に本庁とオンライン会議のシステムでつながっていて、横にスキャナーがあるだけという感じだが、そこで税の手続きができる。住民にとっては便利で、公民館でできればなお良い。ただ公民館でやっていいのかという点で、法律で定められている本人確認の対面原則が自由な発想を邪魔してしまう。本来のDXをしっかり行うためにも、規制改革が重要。様々な施策を打っているので期待していただきたい。本当の住民に寄り添ったサービスが提供出来るのかというと、制度論の話になる。
櫻井:デジタルファーストに向けて必要なアクションは何か。日ごろ使っているものの延長線上でデジタル化が進んでいくことが望ましいと思うが。
今井:デジタルトランスフォーメーションを進めるためにはツール、制度の整備、利用する方の文化、気持ち、スキルが必要。だが、民間で便利と思うことを行政のサービスで実現しようとしたときに、環境面での整備が遅れていると感じる。民間のお客さまはスマホで仕事をするのが大前提で、アジャイル開発を実践しながら、トライアンドエラーで進めていく。行政のお客さまの中で、スマホで業務が出来ている方はどれくらいいるのか。住民の立場に立って、スマホでどのようなサービスが使えればデジタルファーストが進むのか。自分の仕事として、そのことを考えられる環境に置かれている人がどれだけいるのかはいつも考えている。そこを整える必要があるのではないか。
淵之上:デジタルサービスの前提は導入とPDCAによる改善を繰り返すこと。行政では予算の取り方がイニシャルに偏っている。単年度の会計が問題だが、デジタルサービスの導入から完成までには3~4年かかる。このへんは制度改革に期待したい。
小林:デジタル庁では調達に関して、クラウドサービスを使うという前提に変えようとしている。ルールを見直すことによって、制度が邪魔で出来ないということがクリアできる。役所の仕事でデジタルサービスを使うと時間に余裕が出てくる。それによって住民の本来の姿が見えてくるようになる。
佐藤:地方の行政は一人が複数の業務を持っているので、デジタルで情報を吸い取ってくれると楽になる。磐梯町は仕事を効率的にするために庁内のやりとりをコミュニケーションツールで行うようにし、パソコンも持ち出せるようにしたので、どこでも仕事が出来る。クラウドなど民間サービスを導入し、仕事がしやすい環境を作ることが大事。職員はよく「できない」と言うが、それは失敗を恐れるからだ。「失敗はしろ、責任は取る」と話をしているが、そうしないと職員は動かない。いかに職員が自由に動ける環境をつくるかが行政にとっては大事になってくる。
櫻井:組織としてトランスフォーメーションするために制度的、文化的に無理だから進めないということもあるが、こんなことが大変ということがあればご意見をいただきたい。
神戸市(会場参加者):行政の内部業務ではトライ&エラーが許されたとしても、対市民のサービスに失敗は許されない。デジタルで行政サービスを行っているが難しい部分がある。
佐藤:失敗したらすみませんと謝る、それだけだ。デジタルを使うことを経験するのが大事。住民にも参画してもらい、うまくいかなかったことを共有する。いいものは継続して発展させる。磐梯町は3300人しかいないのでやりやすいが、一緒にやって共有化し、成功事例を積み重ねていく。
今井:農林水産省では民間サービスもよく使われていて、職員の皆さんで業務の効率化を行い、休暇の申請、内部業務の仕組みも自分たちで作っている。自分たちで出来るようになると、失敗してもまたやり直せばいいので、発注して失敗するよりも良いのではないか。最近の民間サービスはノーコードで出来るようになっているので、行政の皆さんもその方向に進んでいただけると、失敗を恐れずに前に踏み出せるのではないか。
佐藤:失敗しても変えられることを経験していくと、課題を解決するためにはどこかに発注するよりも自分たちでやれることをやっていくという姿勢になっていく。
淵之上:今までのものがどのように変わるのかを分かりやすく伝えることも重要。広報するときに、SNSに出ていく一枚のバナーの絵を大事にしている。ユーザーは画像を5秒くらい見て、それで内容をイメージする。いかに分かりやすく簡潔に、かつ的確に伝えるかという広報の在り方も大事。
今井:今回の調査は民間と行政を比べていたが、一体化してデザインすることがとても重要だ。民間サービスでうまくいっていることを行政で取り入れていくことが必要。サービス提供側である私たちは、ずっと同じ人が公共営業担当業務を担っていることが多く、公共担当が民間の取組みをお客様に上手く伝えられていないという課題がある。民間では面白いサービスが日々生まれている。そういうものを行政の皆さまにちゃんとご紹介して使っていただけるよう、私たち自身も変わっていかなければと思っている。
淵之上:UI・UXは非常に大事で、一度使ってファンになってもらえる、あるいはもう1回使ってもいいと思ってもらえるようなものをしっかりと作っていかなければならない。そして、サポートする人がサポートしやすいUI・UXも重要だ。また、最終的に便利になるがコストは上がるという話なのか、便利になってコストも下がるという話なのかということも、広報などのいろいろな手段を使って、皆さんが応援してくれる形に出来ると良いと思う。
佐藤:民間を業者ということで切ってしまうと、一歩引いた形で付き合ってしまいがちだが、取り込むことが非常に大事。磐梯町のDX戦略室には10人いるが、そのうち6人は民間企業の方など、色々な方に入っていただいている。これによってさまざまなノウハウも提供し、お互いに信頼感を持って連携して取り組めるようになる。また、企業の方と一緒に新しいサービスを提供する取組みも進めている。業者と一緒に協力関係、共創協働を進めていくのは今、非常に大事ではないか。
小林:私はこれからDXあるいは地域をどうしていくかというときに3つのDが大事だと思っている。1つはデジタル、2つ目はデザイン、3つ目はダイバーシティだ。ワクチンのチームを率いた時に、自治体職員にも民間の方にもメンバーに入ってもらった。必ず民間がお手本で、行政が遅れているという話になるが、私は全くそんなことはないと思う。霞が関の官僚の皆さんはとても優秀なので、一緒に働いていけば3ヶ月ぐらいでキャッチアップできる。やはり、法制度を理解していないと作れない仕組みがたくさんある。一方で自治体の方は現場の仕事のやり方とか、何が本当に難しいのか、窓口がどうなっているのかということが分かっている。それぞれに出せる価値、特徴があって、一緒に混ざって仕事をすることがいかに高い価値を生むかを本当に実感した。そういう意味で、このアンケートも、年代や性別など、単なる基本属性で判断していると全然違うんだということを明らかにしていただいたと思う。その人たちを巻き込んで、情報共有をフラットにして、皆で意見を出し合って成果を出していけるのがデジタルだと思う。私は、デジタル庁の仕事はこの国のインフラを作り替えることだと思っている。インフラとして全てにデジタルが入る。ただ、インターフェースとして、デジタルを使うことを強要する必要はない。そうやって皆がそれぞれに自分たちの色を発揮できるフェアな社会を皆さんと一緒に作っていけたらと思う。
櫻井:利用者の方のダイバーシティもちゃんと考慮できるようなデジタル社会になっていってほしいと思う。引き続き調査研究で、実りのある活動をしていきたい。今日は、本当にありがとうございました。
執筆:井上絵理(国際大学GLOCOM客員研究員)